


05:00 永平寺町松岡郵便局にて福井市内組集合しマイクロバスで出発。途中坂井市内で残りのメンバーと合流。丹南組と合わせ総勢27名で能登へ。
09:00 現場の能登町に到着。作業開始。
15:00 作業終了
19:00 松岡へ帰着
現場は豪雨被害にあった農村地のとある世帯で田んぼの畔に流れ着いた流木の撤去と水田に引く用水路の泥の撤去でした。
能登里山街道は昨年の派遣時に聞いていた話に比べると大分復旧していましたが千里浜から山間部に入ったあたりからは工事をしていない箇所がほぼない状態でした。路面もひび、がけ崩れ、迂回や急な坂道になっている場所などまだ酷い状態が続いていました。印象的だったのはがけ崩れを起こした道路の側面に被災時のままであろう放置車両がまだ残されていたことでした。
集落に入ると3軒に1軒ほどのペースでブルーシートまたは半壊して放置された家々が見られました。基本的に人がほとんど歩いておらず道もがけ崩れや洪水で放置された状況も多く、さながら戦後の様相でした。ひとつ気づいた点としては崩れた家は恐らく昭和以前に作られた、耐震基準改正前のものばかりだったということ。減災士の講習でも学んだ知識でしたが地震に対して日本の家が高い耐久性を持っていることを感じられました。
能登町に入ってからは一軒だけファミリーマートがあるのですが、そこの駐車場も砂で汚れた後があり洪水の影響を感じさせました。また道には廃棄された家々の資材などが置かれている廃材置き場が点在しており学校のグラウンドのような広さの敷地で重機くらいの高さがある壁に囲われているにも関わらず、その壁を乗り越えて廃材が顔を覗かせている様子から洪水の被害の大きさが伺えます。
現場は非常に穏やかで絵にかいたような田園地帯で美しい場所でした。しかし田んぼは砂や土砂で埋もれておりとても農業は再開できない様子でした。我々は午前中は田んぼの用水路に溜まった泥をかき出したり、古い水路が埋まって水が流れなくなってしまった個所を開通させたりする作業を行いました。
集会所で地元の経済支援も兼ねたお弁当をいただき午後からは田んぼの畔に流れ着いた流木の撤去を行いました。流木と言っても自然物だけではなく飲み物や化粧水といった生活ごみに加え時には家の柱だったであろう木材も散見され非常に生々しかったです。
今回参加した福井県防災士会の方達はほとんど私より一回り二回り以上年上の方ばかりで人間関係も出来上がっていたため私は持ち前のコミュ障を発揮してあんまりしゃべることができなかったのですが、防災士会の会長さんとは合間合間でお話をする機会があり色々と勉強させていただきました。
現地の方を含め皆さん楽しそうに作業されていたのが印象的でした。最近見たアニメ映画で「この世界の片隅に」という作品があります。第二次大戦中の日常を描いた作品で悲惨な状況であっても良くも悪くも日常は流れて行ってその中に必ず何か楽しいことはあるのだから笑って生きて行こうというテーマなのですが、能登半島の方たちにはそういった生き方を実践されているのだな、と感じました。
今回現地に行かせてもらえたことで我々のドローン防災事業として何ができるのか色々考えさせられると共に今後の活動について色々掴むことができた一日でした。全身筋肉痛になりましたが参加してよかったと思います。
福井県防災士会では月に一回程度こうした活動をしているということで今後も本業に支障が出ない程度に参加させてもらおうと思います。
高橋翼